海外からの観光客が求める「ブラントン」って何?ブラックが見つからないときの代替案

海外から日本にやってきた観光客から「このJapanese whiskeyが欲しいんだけど」と聞かれて、困った。見たことのないお酒だったから。調べてみたらこれ、宝酒造の「ジャパニーズウイスキー」なんですね。在庫やその人気の秘密を探ってみました。


ラベルから推理…人気は「ブラントン ブラック」らしい

質問された際に見た画像は、黒い箱とボトルキャップの上に競走馬?が乗っているタイプのウイスキー。画像を読むと「Blanton’s Single barrel bourbon」と書いており、流れるような筆記体から一瞬「バランタイン」だと思いました…自分の知識不足とハヤトチリです、ゴメンナサイ(涙)。

箱は黒で、競走馬のデザインがあしらわれており、ボトルキャップにも競走馬が乗っています。箱の色とボトルキャップが黒であることから「ブラントン ブラック」であることが判明。調べてみると、楽天市場では7,920円+送料という感じ。「すごく高いらしい」と聞いてたので何万円もするのかと思っていましたが、気の利いた日本土産としてはすごくフィットしそう。自分へのご褒美にもいい感じ。

分かったけど、買える店がない…!

ネットで購入するのもいいけど、帰国の際に持って帰りたいというので、その方が滞在中に利用しているホテル周辺のリカーショップや専門店にかたっぱしから電話してみたところ、残念ながら該当なし。※一件だけすごく対応が塩だったお店があった…多分転売ヤーだと思われたんじゃないかな…と思う。転売は良くない。

ビックカメラなら全国にあるし、種類の販売も豊富なのでそこならどうか?と一縷の望みをかけて電話してみたところ、そこでも玉砕…。しかも問い合わせたエリア全域で欠品してるらしい。某有名酒チェーンからは「卸しの問屋に在庫がない状態で、注文しても入ってこない」と言われたほど。なんでこんな人気なのかな…?しかも海外客に。

「ブラントン」って何だろう 調べてみたら魅力的だった

調べているうちに「ブラントン」が気になって気になって。いろいろなサイトやクチコミを見たところ、海外だけじゃなくて日本人にも根強いファンがいるんですね。ここでひとつ、今回の一件で得た「ブラントン」情報をお披露目(パチパチ笑)。

「バーボンウイスキー」とは
バーボンの故郷、アメリカ・ケンタッキー州で生まれたバーボンウイスキー。バーボン郡で造られたことから「バーボンウィスキー」と名付けられました。その土地はフランスからの入植が多かったことから王家を懐かしんだ「Bourbon(ブルボン)」の名を冠したそう。酒の「バーボン」としての定義は公式サイトの説明が分かりやすかったので、詳細は下記リンクから。

連邦アルコール法には次のように決められている。原料となるトウモロコシが51%以上。新しいホワイトオークの内側を焦がした樽で最低2年貯蔵されている。
160プルーフ(80度)以下で蒸留する。これに「水は金属性物質など不純物を一切含まないこと」「ケンタッキー州でつくられたもの」などがアメリカでは一般的に付け加えられる。

https://www.takarashuzo.co.jp/products/blanton/blantons/bourbon/basics.html

なんで馬が乗っているの?
ケンタッキーの州都であるフランクフォート市制200年を記念して誕生した際、「ウェスタンカルチャーを生み出した開拓者たちに心から敬意をこめて、ケンタッキーダービーのダービー馬と騎手をキャップに冠した」らしい(こちらも公式サイト参照)。やっぱりこれ競走馬なのか!ケンタッキーといえばランフォザローゼス、ケンタッキーダービーのオフィシャルスポンサーバーボンと言えば「Woodford reserve」な今まででしたが、今後はここに「ブラントン」も追加されるな…。

しかもこのボトルキャップ、芸が細かくて、「B」「L」「A」「N」「T」「O」「N」「S」の8文字に合わせて8種類のボトルキャップがあるんだそう。左から右へ並べると、直立から駆け出し、ゴール入選後にジョッキーが勝利のガッツポーズをしているようなパラパラ漫画風になる。これは8キャップ分集めないとじゃないか…沼!

◆手書きラベルってのが現在&アナログでこれまたいいね
ブラントンのラベルって、1枚1枚手書きで書きこまれているんだとか。同じものはほかに一つとしてない、という手間暇かけたところも海外客に人気のポイントなのかもしれないです。

「ジャパニーズウイスキー」の評価が上昇継続中

学んだはいいが、件の方はおそらく現物を見つけられず帰国されたことと思う…(涙)。力になれず悔しかったのと、次に聞かれたときのために宝酒造さんに個人的に問合せてみたところ、すぐに回答があってびっくり。しかもものすごく丁寧かつかゆいところに手が届く回答で大感激。ああ、ミイラ取りがミイラになった気分だ…自分でも欲しくなっちゃったじゃないか…。(笑)

カスタマーサービス担当者さんからの回答によると、問い合わせた「ブラントン ブラック」は5年ぐらい前から好評なんだとか。そもそもここ10年は「ジャパニーズウイスキー」の評価が海外で高まっていて、海外だけじゃなく国内の出荷も右肩上がりで推移しているそう。山崎、竹鶴などはここ数年手に入れにくくなっているなぁ…と肌感覚では分かってたけど、そりゃ国内外から求められているならそうなりますね。

今回は「ブラントン ブラック」を探していたけど、おそらく全国的に手に入らない状況だと思うので、「ブラントン ブラック」がない場合は何を勧めたらいいかも問い合わせておいたところ、同じ場所の倉庫で熟成されて、ボトルデザイン・キャップ等も同等の「ブラントン ゴールド」「ブラントン」がいいのでは、ということ。

実際にはもうひとつ「ブラントン・ストレート・フロム・ザ・バレル」というのがあるらしいのだけど、こちらは販売ルート限定品の様子。一般的でない商品を紹介しないあたり、お客様相談室の方は良心的だ…と感動した次第でした。

海外だとクチコミスパイラルが巻き起こるからすごい

限定品も含めると4種ある「ブラントン」のうち、なんで「ブラントン ブラック」を指定されたのかって、おそらく「ブラントン」が4種あることは海外観光客の間でも詳しくは分かっていなくて、「ブラントン ブラック」を持ち帰った人がフェイスブックとかインスタとかで感想を見て「指名買い」してるんじゃないかな、と予想。要するにクチコミが評判を呼んで、その味が本物だからさらに好評になって、更にその要望が増えて…って感じでしょうか?

ただこれ、ウイスキーは熟成に時間をかけて造るものだから、すぐに供給が回復するわけでもなさそう。日本にいるのに手に入れられないのはちょっと残念だけど、アヤシくないネット販売者(笑)もいるし、正規の販売店で購入できないときは買ってみてもいいかもしれないですね。

らく@staff
  • らく@staff
  • 競馬、温泉、落語と講談が大好きな地方暮らし。個人の趣味サイト「くらしのおたより」を運営しています。サイト内の写真・文章の引用については「はじめに」をご覧ください。https://lifestyle-area.com/2017/04/14/hello-world/

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