【JRA】オッズボックスの「出馬表」出力は廃止しないでほしい

スマホで投票できる「スマッピー」や、1枚のカードで入金、投票、出金が可能な専用ICカード「JRA-UMACA(ウマカ)」などのキャッスレス化促進にあわせ、UMACAが導入されたJRAの各競馬場およびウインズでは順次、オッズカードを利用したオッズボックスが撤廃される予定です。

決まっていることは仕方ないので異を唱えるつもりはありませんが、なんとか、どうかどうか、継続していただきたいサービスがあります。それは、オッズボックスで印刷できる「出馬表」の出力サービスです。

UMAポートでできること&できないこと

UMACAに連動した端末は3種類あります。ひとつめは、UMACAへ入金したり出金したりできる現金チャージ機の「UMACA入出金機」。ふたつめは、マークカード、スマッピー投票、タッチパネルの3方式で、通常の国内レースやWIN5、海外競馬にも投票できる「UMACA投票機」。みっつめは、オッズ印刷やクーポンの出力ができる「UMAポート」です。この全3種類の端末が、UMACAと連動しています。

このうち、筆者がなんとか機能を残してくれないか…と願い、今回、当サイトで声を大にして意見したい(!)のは、情報照会端末「UMAポート」の機能についてです。

UMAポートでできること:最大のメリットはオッズ印刷が1日20回まで無料

UMAポートは、キャッシュレス投票用ICカード「JRA-UMACA」と連動した情報照会端末です。手っ取り早く例えるなら、UMAポートは現行の「オッズボックス」の後継機。UMACAをかざせば「オッズ印刷」「クーポン印刷」「前日までの投票内容確認」「スマッピー投票」が可能です。

2018年に東京競馬場、中京競馬場、阪神競馬場などで導入されたUMACAカード

このうち、UMAポートを利用した「オッズ印刷」は、1日20回までなら無料で、有料の「オッズチケット」不要で印刷可能です。これまで、オッズの印刷はオッズボックス専用のプリベイドカード「オッズカード」を利用し、オッズ表1枚ごとに10円で有料印刷しなければなりませんでした。その点、1日20枚までなら無料でオッズ表をゲットできるのは、大きなメリットだと言えます。

UMAポートでできないこと:オッズボックスで出力できた「出馬表」が印刷できない

その半面、従来のオッズボックスで出力可能だった「出馬表」が、UMAポートでは出力できなくなりました。「出馬表」は、馬名や血統、出力時点の単勝オッズと人気はもちろん、地方を除くJRAでの過去4レース実績などを一覧できる表のことです。

出馬表
2018年12月22日に中山競馬場で行われた中山大障害の出馬表

UMAポートでは、オッズ表を印刷した際に馬番・馬名・単勝オッズのみを記した簡易出馬表を入手可能です。しかしながら、オッズボックスで印刷できた詳細な出馬表はどのメニューを探しても出力できず、東京競馬場のUMACAサポートスタッフさんに質問しても、「出馬表のみの出力は(UMACA関係端末では)できない」との回答でした。

「思い出記録型」競馬ファン必携の出馬表

レーシングプログラムや競馬新聞を活用されている場合は、この出馬表はいらないよ、という方も多いかもしれません。しかしながらこの出馬表、情報を得るだけでなく、当日のレース情報を思い出として残しておきたいタイプの筆者のような人間にとっては、非常に大きな価値を持つ一覧表なのです。

まず、この出馬表は競馬場やウインズに足を運ばなければ得ることができない、スペシャルな紙情報である、ということ。印刷日時も表示されることから、思い出を振り返る一助となる点に価値を感じます。

次に、レース前の計量を終えれば、馬体重も記載された状態で印刷可能ですから、出馬表は紙に残るもののなかでは最後の最後まで最新状態を保っている情報源であるということ。あの時あの時点、あの馬はどういった状態だったろう?と思い返すのに、もっとも当時のレース前に近い状態で思い返すことができるのは、この出馬表だけです。

最後に、単純にこの一覧表を眺めるのがおもしろい、ということ。たとえば、2018年「有馬記念」の出馬表は、オジュウチョウサンの過去4レース着順が「1」ですべて埋まっているようすが壮観でした。特にオジュウは2018年に出馬したレースは「有馬記念」を含め4レースのみ(中山グランドジャンプ、開成山特別、南武特別、有馬記念)のみですから、2017年暮れの中山大障害情報から1年分の頑張りを一度に眺めるのにもぴったりでした。

なんとも叙情的な理由で存続を訴えるのは論理的でなくて申し訳ないのですが…、思い出を記録しておきたい、紙で残しておきたいファンの筆者としては、なんとか、どこかのタイミングで、この出馬表サービスを復活していただきたいものです。

「出馬表」が印刷できるオッズボックス、その廃止日程…2019年の予定

UMACAが導入されると、オッズボックスは撤廃されます。2018年12月25日現在、すでにUMACAが導入されている東京競馬場、福島競馬場、中京競馬場、阪神競馬場、ウインズ銀座、ウインズ難波、ウインズ神戸などでは、すでにオッズボックスがなくなっているはずです(東京競馬場、ウインズ銀座は筆者確認済み)。

JRAによると、2019年4月には京都競馬場とウインズ新白河で、6月は函館競馬場と小倉競馬場からオッズボックスが引退します。公開されている日程は、下記の画像にまとめました。

UMACA投票・スマッピー投票の導入予定(2019年)
画像:筆者作成 UMACA投票・スマッピー投票の導入予定(2018年12月10日 掲載情報)

新しく導入されるUMAポートでは、従来のオッズカードを利用できません。よって、オッズカードをお持ちの方は、UMACAおよびUMACA関連端末3種類が導入される前に度数を使い切る必要があります。

なくなるものを「使ってください!」というのは気が引けますが、筆者としてはぜひ一度、「出馬表」を印刷して、レースの振返り材料や思い出の品として持ち帰っていただきたい…と思っています。そして「出馬表」ファンが増え、UMAポートに実装されるか、何か別の方法で利用できるようになるか…、何か良い結果に…繋がりますように!

らく@staff
  • らく@staff
  • 競馬、温泉、落語と講談が大好きな地方暮らし。個人の趣味サイト「くらしのおたより」を運営しています。サイト内の写真・文章の引用については「はじめに」をご覧ください。https://lifestyle-area.com/2017/04/14/hello-world/

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