神田松之丞 真打ち昇進へ…2020年2月(神田連雀亭レポ)

飛ぶ鳥を落とす勢いの講談師・神田松之丞(かんだまつのじょう)さんが2020年2月、二ツ目から真打ちへ昇進することがわかりました。朝日新聞が報じています。二ツ目時代も残すところあと1年と2か月ということですね。

(追記:2019年1月10日 新潮社「絶滅危惧種、講談師を生きる」を読み終え、関連する箇所について追記しました)

松之丞、真打ち昇進は2020年2月

朝日新聞が2018年12月28日に報じた内容によると、二ツ目から真打ちに昇進するのは2020年9月のこと。落語芸術協会は「2020年二月中席より」と掲載しています(中席とは中旬のこと)。男性の真打ち昇進は、所属する落語芸術協会のなかでは2002年の三代目神田山陽さん以来のことで、二ツ目の先輩9人に先駆けての抜擢だとか。

二ツ目から真打ち昇進、何が変わるか

落語芸術協会が説明する通り、講談師を含む東京の落語家には上から順に「真打ち」「二ツ目」「前座」「前座見習い」という階級があります。落語・講談ファンの方に教えていただいたところによると、通常二ツ目から真打ちに上がるには、真打ちになってから14,5年は必要だとか。神田松之丞さん本人も、「絶滅危惧種、講談師を生きる」で発行当時の2017年から真打ち昇進まで「普通ならばあと五年ぐらいかかります」と述べていました(同書183頁)。

それを、松之丞さんは2012年の二ツ目昇進からわずか8年で成し遂げるということですから、どれだけその実力を認められたのか、ということですね。スポーツ報知の報道によれば、数年前から真打ちへの推薦はあったようです。

真打ちになれば、寄せの一番最後に出るようになるほか、全国から数々のお声がかかることにもなるでしょうし、お弟子さんを取ることもあり、ますます多忙になることが予想されます。御本人も、過去にTOKYO FMのラジオ「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」内で真打ちになればやはり弟子を取りたい、世話をしたい、という発言もしていました(ただし真打ちになってから来るやつは違う、松之丞が30代のうちに来るやつも違う…というような発言もありました^^;)。

気になる落語界のユニット「成金」の行方

真打ち昇進がニュースになった際、神田松之丞さんや三遊亭小痴楽さんが所属する落語芸術協会の二ツ目専門ユニット「成金」の行方を案じる方のコメントがTwitter、Facebookで見られました。

多くは「成金は解散するのか」というもの。これについては、新潮社が2017年に発行した「絶滅危惧種、講談師を生きる(リンク先は当Webサイト内記事)」が詳しく述べています。成金はユニット結成当時から「誰かが真打に昇進した際に解散する」という約束があったそうで、その結成背景からすると、小痴楽さんが真打ちに昇進する2019年内に解散することが予想されます。

二つ目専門寄席「神田連雀亭」

何より、真打ちともなれば、落語や講談師の二ツ目専門寄席である「神田連雀亭」に出演することもなくなりますね。神田連雀亭は38席と、とてもコンパクトな寄席で、マイクは使わず高座との距離が近いことで知られる寄席です。

先日、松之丞さんが出られた昼の日替わり寄席に伺った際も、落語・浪曲・講談を大変近い距離から楽しめ、汗のしたたるようすや息継ぎの音も手に取るように感じることができました。

松之丞さんが二つ目である間は、これまで同様に出演されることもあるだろう「神田連雀亭」での寄席。しかしながら、真打ち昇進が報道されて益々見ることが困難になりそうです。

神田連雀亭
松之丞さんが出演された寄席のようす

先日、神田連雀亭の日替わり寄席に松之丞さんが出演された時は、13時開場、13時半開演であるところ、なんと12時には札止めとなり(!!)、並んでも入ることができない状態でした。筆者も、事前にTwitterで松之丞さん出演の会は大変混雑するとわかっていたため超・早めに11時に伺いましたところ、すでにビルから列がはみ出す状態でした…。一番乗りかな?と余裕しゃくしゃくの思いで行きましたので、自分の甘さに驚いたものです。

特別松之丞さん目当てでない方は、あえて松之丞さんの出演する寄席を外すこともあるそうです。筆者としては、連雀亭独特の“近さ”に大変感銘を受けていますので、今後も通うこととしつつ、真打ち昇進までにまた連雀亭で松之丞さんの講談を聞きたいな、と思っています。

なお、神田松之丞さんへの理解を深める書籍、ラジオ情報等は「【読んだ】神田松之丞「絶滅危惧職、講談師を生きる」新潮社」にまとめました。講談師・神田松之丞を入り口に、そのお師匠さんである神田松鯉先生や一門の神田鯉栄さん、神田松之丞さんに影響を与えた立川談志師匠(ご存命のうちに聴きたかったですね)などにも興味の幅を広げることができそうです。

らく@staff
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  • 競馬、温泉、落語と講談が大好きな地方暮らし。個人の趣味サイト「くらしのおたより」を運営しています。サイト内の写真・文章の引用については「はじめに」をご覧ください。https://lifestyle-area.com/2017/04/14/hello-world/

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