【読んだ】婚活中毒―秋吉理香子(実業之日本社)ネタバレなし感想

婚活中毒
著者:秋吉理香子
出版社:実業之日本社
2017年12月24日初版第1刷発行
206ページ

「このミステリーがすごい! 2019年版」で「『このミス』からのオススメ」として紹介されていたため、読んでみました。ミステリのジャンルのひとつだという「イヤミス」に分類される小説だとか。

選者の新井見枝香氏曰く「イヤミスって、すごく身近でありそうなお話こそ面白い(宝島社「このミステリーがすごい!2019年版」6ページ)。どなたが名付け、定義したジャンルか存じ上げませんが、ネットでの情報を統合すると「イヤミス」は「読後に嫌な気分になるミステリ小説」を指すようです。うーん、12月24日という、世間が浮かれがちな日が「婚活中毒」の初版第1刷発行日っていうのは、たしかに嫌〜な感じがしますね。笑

30・40代「独身」読者向け小話集

「婚活中毒」は、「理想の男」「婚活マニュアル」「リケジョの婚活」「代理婚活」の4話からなる単行本です。

「理想の男」は、リストラをきっかけに実家に戻ったアラフォーが、地元で密かに人気を集めている結婚相談所を利用して婚活する話。「婚活マニュアル」は、男子校出身・理系のアラサー(と思われる)男性が婚活イベントに参加し、女性と出会う話。「リケジョの婚活」は、ロボット開発に携わる理工系女子、いわゆるリケジョがTV局が主催するお見合い企画(どう考えても「ナ●ナ●のお見合い大作戦!」がモデル笑)に参加し、実験とデータを駆使した恋の争いを繰り広げる話。最後の「代理婚活」は、出会う機会や結婚に対する意思のない息子・娘に代わり、相手を探す両親たちの話。

会話文が多いので、1時間〜1時間半程度で通して読めます。アラサー、アラフォー世代の男女の間ではよく聞く話が描かれていることから、臨場感を持って読み進めることができるのではないでしょうか。

ネタバレなしで感想を言うとすると、「良い意味でイヤミスではない」です。「読後最悪」「ブラックユーモアたっぷり」「衝撃のラスト」などの読後コメントを見つけたので、覚悟して読みましたが、何日も夢枕に出てきたり、寝込んだり、考え込んだりするような重たいブラックユーモアではないです。衝撃の、とか、大どんでん返し、などの修辞は大仰すぎるかな。

ただ、「婚活マニュアル」の主人公男性と「代理婚活」に出てくる主人公男性は、最後のオチで人間の浅さが露呈しており、そういう人がほとんどの世の中なのが真実だよな、きっと。と思えば、たしかにイヤな気持ちになる。その点では間違いなく「イヤミス」かも。

余談ですが…、イヤミスの代表作家として名が挙がっている作家は、湊かなえ(「告白」など)、真梨幸子(「殺人鬼フジコの衝動」など)、沼田まほかる(「九月が永遠に続けば」「彼女がその名を知らない鳥たち」)、深木章子(「鬼畜の家」など)らとのこと。まほかる氏は読んだことがありますが、他はまだなので…イヤミス発掘に勤しんでみます。

らく@staff
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  • 競馬、温泉、落語と講談が大好きな地方暮らし。個人の趣味サイト「くらしのおたより」を運営しています。サイト内の写真・文章の引用については「はじめに」をご覧ください。https://lifestyle-area.com/2017/04/14/hello-world/

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