【宿泊記】華やぎの章 慶山(withコロナ、みんなどうしてる?)【石和宿めぐり】

家計に余裕はないけど…、リフレッシュの時間は欲しい!そこで決めた、月1回の石和温泉通い。自宅から近い山梨・石和温泉のホテル・旅館に泊まり、お気に入りの宿を紹介するシリーズ【石和宿めぐり】を立ち上げました。同じ温泉エリアの中でも、他の宿にないUSP(独自のウリ)は「イチオシポイント」で紹介。気になる実泊料金も公開します。第3回は、「華やぎの章 慶山」さんです。
※注意:大浴場・露天風呂の写真は原則、掲載しません。湯殿はもちろん、脱衣所にも人がいない場合のみ撮影しています。また、個人を特定できる写真は掲載いたしません。
※新型コロナウイルス感染症拡大防止に伴い、紹介したホテル・旅館が休業している場合があります。とっても残念ですし、再開が待たれます…。最新情報は公式ホームページで確認してください。
こんな宿でした!
2020/6/28時点で、観光経済新聞社「5つ星の宿」認定、旬刊旅行新聞「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」総合89位入賞の温泉宿。お琴の生演奏や毎晩21時からの太鼓ショー、ステーキ懐石と客前割烹が自慢のお宿で、自家源泉を利用しているという点が前々から気になっていました。
月に1回行こう、と決めた石和温泉ですが、もちろん、自粛ムードの中では3か月近く旅行を休んでいました。でも、最近はマイクロツーリズムが注目されているし、自宅からマイカー利用で行ける範囲なら、地域応援の意味も兼ねて遊びに行ってもいいんじゃないかな…。うーん、それでも…旅館の方々は、嫌がったりしないかな…。そんな悩みもあり…。COVID-19が完全に収束していないなか、本当に泊まりに行って良いか迷いもしましたが、やっぱり、温泉は活力の源。こちらも充分に対策した上で伺うことにしました。

「ここまでやってくれるなら安心」
ホテル選びの決め手は、前々から気になっていたのもそうですが、じゃらんのクチコミで、事前に「コロナ対策を万全にしていて安心」というような趣旨のコメントを見つけたから。
実際に、行って納得。ホテル玄関では手と靴底の消毒が必須で、フロント横ではサーモグラフィーによる検温も行われていました。マスクで顔は見えませんが、対応してくださる方々がフェースシールド越しに明るく誘導してくれるので、嫌な気持ちはゼロ。むしろ、宿泊者全員がこの対策で入っているんだな、と考えると、安心感に繋がりました。
客室に向かう際に利用したエレベーターは「1組ごとの利用」と決められていただけでなく、押しボタンにもかけて使えるアルコールスプレーが用意されていて、ボタンを押すのがためらわれる人にもぴったりでした。フロントでは、ペンタイプの除菌スプレーも200円(だったかな?)で販売されていましたよ。

家族からも、「ここまでやってくれるなら安心だよね」「徹底してもらえたほうがいい」との声。誤解を恐れずに言うと、入館の免罪符、のようなものを貰えたような気がして、施設に関わるスタッフ・宿泊者全員で対策をしていこうという気持ちにもなれました(筆者・らくは感極まりやすいタイプ)。
全然タバコ臭くない喫煙室
フロントでの待機時間削減のため、夕食と朝食の時間は客室で調整することに。荷物を客室に置く以外、必要以上の干渉はなく、でも、常に笑顔で、気持ちよく対応いただけました。聞けば、本来ならその場で提供しているお茶のサービスは割愛していて、冷蔵庫に無料のお茶(お〜いお茶)が入っているとのこと。そっか…普段はお茶出しもしているんだ。あんまり見なくなったけども、お客さんとの接点を減らす分、ほかのサービスで代替しようとする姿勢って、いいですね。

予約したのがギリギリだったこともあり、残念ながら禁煙室は満室とのことで、取れたのは予約サイトの表記では「ファミリータイプ喫煙室」でした。予約したのは自分なので、充分理解してはいたけども…、あまりにも匂いがきつかったらどうしよう…と不安だったのも事実。でも、事前に消臭対応をしてくださっていて(予約時にリクエストできた)、タバコ臭さは全く気になりませんでした。

むしろ、想像していたよりずっと広いお部屋(10畳+特徴的な広縁)で、満足度が高かったです。ただし、北向きのお部屋だったので、富士山方面ではありません。窓の下には鯉が遊ぶ川が流れ、せせらぎを聞きながらの読書がはかどりました。夜になれば、北西のほうに甲府市内の街明かりがちょこっとだけ見えて、きれいだったのも良かったです。
館内・風呂・食事処もコロナ対策万全
客室には足袋が用意されていて、感染症対策のため館内移動には足袋の着用が必須。なかには履いていない人もいたけど…(注意書きに気づいてないだけだと思うので、フロントでお願いするだけでも違うと思う)、クーラーによる足元の冷え対策にもなるし、これは良い対策でしょう。
お風呂も40人までの入場制限が設けられていて、風呂の前には案内係の方が立っていたのが印象的。お風呂の案内だけでなく、湯上がり処への案内も対応されていて、麦茶のサービスがあることをお知らせしてくださいました(立て看板も出ていた)。
お茶と一緒に、ゼリーのサプライズもありました。ゼリーは、地元のワイン酒造「モンデ酒造」からのコロナに合わせた期間限定サービスのようです。試飲や工場見学をクローズしている分、なんとか地元と繋がれないか?と考える地域の方の顔が浮かびました。そんなこんなで、ゼリーが美味しかったのと、マルスは行ったことがあるけど、モンデはなかなかチャンスがなかったので、結局翌日行きました。

2人組でもソーシャルディスタンス
慶山の売りは、既述の通りステーキ懐石と客前割烹とのことだったのですが、今回はお値段優先で会場食のプランにしていました。部屋食や個室食ではない分、どんな状況なのか少し気になって足を踏み入れたところ…、心配無用。同グループ内でも、しっかりとソーシャルディスタンスが取られていました。

料理人の方が揚げたての天ぷら(この日はヤングコーン、ズッキーニ、エビ)を配膳してきてくださったことと、仲居さんがあつあつ茶碗蒸し・お造りを配膳してくれた以外、他の人との接触はありませんでした。お水とお茶が卓ごとに置かれている点も好印象!いちいち立ち上がる必要もなく、快適に食事できました。

食事会場に向かうまでを含め、館内移動にはマスクをしている宿泊客が多数。小さなお子さんも、キッズマスクをしていて偉かったです。
イチオシポイント:チェックインからアウトまで心地よいサービス
残念ながら、というかご時世柄、名物の太鼓ショーとお琴の生演奏、プールやマッサージはお休み中。エンタメ要素がごっそり抜けている分、過去に泊まった方からすると物足りなさもあると思うのですが、これだけのコロナ対策がしかれていれば、「これまで当たり前にあったもの」がなくなったマイナスはむしろプラスに働いていると思います。筆者のように、これがファースト慶山の人には、今の様子が当たり前の光景になっていくはず。

ラウンジで女将さんの挨拶もありましたが、どの客も平等に迎え入れられているという気持ちになれたし、係の方は穏やかで笑顔、フロントの男性もハキハキ丁寧。お風呂掃除は頻繁に行われていたし(2〜3時間に1回程度入浴していましたが、床がいつもきれいだった=掃除されているんでしょうね)、すれ違う料理人さん・スタッフの皆さんが必ず「こんばんは」「ごゆっくりどうぞ」と声をかけてくれるのも嬉しかった。
華々しい演出はなくなったけど、華やいだ気持ちを演出するスタッフの皆さんのサービスは不変なのでしょう。不自由なく、不満もなく、最初から最後まで本当に気持ちよく過ごせた宿でした。
精算:1人10,450円
プラン名・客室名:スタンダード ファミリールーム 喫煙
6月土曜宿泊、Booking.com経由で予約
1泊2食付き
なんでこんなにお得価格だったのか…?こんなお値打ちで泊まってよかったのか。見つけたときは二度見しました。
余談
気になっていた要素の一つのお風呂。石和の共同源泉でなく、自家源泉をひいていました。姉妹館の「ホテル甲斐路」さんもそうでしたが、湯船は広い、大きい、開放感あり!露天風呂の周りを、背の高い竹や笹が囲っているので、空に伸びていくような突き抜け感もありました(石和温泉の露天風呂は、塀と木のセットか、外の景色に電柱が目にはいる率が高いので、これは貴重)。ただ、源泉かけ流しなのかは温泉分析書で確認するのを忘れました。withコロナ時代だと、強酸泉のかけ流しか、循環ろ過のほうがいいのかなぁ、なんて、素人考えが浮かんだ1日でした。