2021中山大障害 現地観戦を終えて…おめでとうオジュウ

2021/12/25、運よく中山競馬場の指定席が取れ、中山大障害を見てきました。オジュウの久々の中山大障害出走とあり、のどから手が出るほど欲しかった指定席。現状は「入場権利」と言えるほどレアな指定席が当たった時は、震えるほど嬉しかったものです。オジュウに会えるんだ…!

オジュウの口取り式

4年ぶりの中山大障害

競馬を初めて現地で見たのも、現地に行ったのも、2017/12/23の中山7日目開催の日が初めてでした。ついでに言うなら、3連単を当てたのもその日。現地観戦のお目当ては、平地・ダートではなく、障害を飛越する障害レースで絶対的な強さを誇るという、オジュウチョウサン。普通とは異なるフィールドを舞台に、国士無双の強さで勝ちまくる勇姿に一度で心をつかまれ、その夏にオジュウのファンになってからというもの、一度は現地で観戦したい!と熱望していたのでした。

その日のオジュウの強さはいわずもがな、芦毛のライバル・アップトゥデイトや障害の役者らが揃い踏みし、レコード決着となった“世紀の一戦”。現地では感動のあまり号泣してしまい、オジュウをずっと応援していきたい!と胸に誓った日です。初めてのG1実況デビューだったとは思えない山本直アナの「前王者か!現王者か!」「青い帽子2頭の追い比べに変わる直線!」は伝説の名実況となり、2022年となった今でも4コーナーを上がってくる2頭の姿がありありと思い浮かぶものです。

その2017年のレース後、オジュウは2018年は中山グランドジャンプから始動。7/7の福島競馬場で開成山特別、11/3の東京競馬場で南武特別と、平地競争を勝ち上がり、2018年暮れの有馬記念に出走(当時も現地で観戦していましたが、こちらも号泣)。2019年は阪神スプリングジャンプ、中山グランドジャンプで障害競走に戻ったのち、10/6の東京競馬場で行われた六社ステークスで平地にカムバック。アルゼンチン共和国杯、ステイヤーズステークスにも出走し、2020年は障害3戦、2021年は新王者・メイショウダッサイや超新生・ラブアンドポップらと激闘を重ねてきたことは記憶に新しいことと思います(素晴らしい障害馬たちについてはまたの機会にその思いを書き連ねたいです)。

オジュウにありがとう

そんなこんなで、障害と平地という2つのステージで活躍していたオジュウ。気づけば、中山大障害への出走は実に4年ぶりとなりました。

2020年11月の京都ジャンプステークスで最終障害に足をぶつけて以来、2021年4月の中山グランドジャンプ以降は脚にメンコとおそろいの青いバンテージを巻いていたのが気になりましたが、前走にあたる東京ハイジャンプでは見事な追い上げを見せ、オジュウの復活が予感できました。

来る2021年12月、ある意味オジュウファンにとっては有馬記念前夜の大一番とも言える…いや、有馬記念以上かな…中山大障害当日は、朝からそわそわしてしまい、気もそぞろ。オジュウにまた会える喜びと、全馬無事完走してほしいという思いでソワソワしていました。

当日のパドックでは、オジュウは終始落ち着いており、頭を低くしてのしのしと歩く姿はこれまで通り。本場馬入場では、立ち止まったり、のこのこ進んだりと「オジュウどうした…?」と思われる一面があったものの、杞憂でしたね。

終わってみれば強いオジュウの競馬。石神Jも早いうちから先頭に抜け出し、オジュウと人馬一体のレースを創り上げていました。武さん、松岡ジョッキー、ミルコと走る姿も大好きだけど、やっぱりオジュウの鞍上は石神さんでなくっちゃ。

残り200メートルを前にオジュウが完全に抜け出した時は、大声が出せない代わりに拍手の大合唱が沸き上がり、ゴール後には手を突き上げて喜ぶファンの方がたっっっくさん…!「いいレース見たわ」「やっぱオジュウ強いよ」「泣ける」なんて話すファンの方とも多くすれ違い、わたしもオジュウの強さに号泣しました(正直、ゴール後の後ろ姿は涙で全く見えませんでした…苦笑)。

わたくし事ですが、2020~2021年は公私ともに良くないことが続き、感染症拡大の影響もあり鬱々とした日々を過ごしていました。そんななか、オジュウが見せてくれた走りはその暗澹たる雲を打ち払う光となり、今後の道筋となり、2022年も頑張ろう!と思えるものでした。いちサラブレッドにいち競馬ファンの望みや期待を背負わせていけないとは思いつつも、そうせざるにはいられないような、人を惹きつけてやまない魅力があるのがオジュウチョウサンだと思っています。オジュウ、かっこいい走りを見せてくれて、元気をくれて、本当にありがとう。全ての障害馬と、オジュウチョウサン、関係者の皆さんに心から感謝です。

PS:長山オーナーのお姿を拝見して

さて、オジュウの出走がニュースになると、決まってささやかれるのが引退説。

…いやいや、史上初の中山グランドジャンプ3連覇、しかもそのとき12歳だったオーストラリアのジャンパー・カラジがいるじゃないか。ヒットザターゲットだって10歳まで走ったし、ノンコノユメだって9歳なのに帝王賞で激走して2着だったじゃないか。全盛期は、他人がとやかく言うもんじゃないし、きっとオジュウもまだまだやれると思っているはずだ。

…いちファンである私は、そんな思いで現地に足を運びました。しかしながら、現地パドックの馬主席で見かけたのは、嬉しさ半分、ショック半分で拝見した、長山オーナーの姿。長く競馬場や口取り式でそのお姿を拝見することがなかったので、寂しく思っていたため大変嬉しかったのですが、ここで足を運ばれたということは、なんとなく「そうか、オジュウを引退させるつもりなんだ。だから、最後の雄姿を見に来たのかも」と思ったものです。

実際に、長山オーナーもレース後にコメントを残されています。

長山尚義オーナーは「引退の話もあったけど、これだけの結果が出たので。来年も3月の阪神(スプリングジャンプ)から4月の中山(グランドジャンプ)へ、という気持ち」と現役続行を明言。

スポニチ 2021年12月26日 05:30
https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2021/12/26/kiji/20211225s00004000578000c.html

口取り式を見て思ったのは、やっぱりオジュウのオーナーは長山オーナーしかいないよ、ということ。だって、久々に全員が揃う口取り式となって、皆さんとってもとっても嬉しそうでしたから。厩務員の長沼さんも、和田朗先生も、石神さんも、坂東牧場の皆さんも、みんな揃って「チーム・オジュウ」ですよね。

オーナーの意向が最優先されるのは重々理解している物の、できれば元気な姿で、またオジュウに会えればなと、強く強く願っています。2021年最高のレースをありがとうございました。

らく@staff
  • らく@staff
  • 競馬、温泉、落語と講談が大好きな地方暮らし。個人の趣味サイト「くらしのおたより」を運営しています。サイト内の写真・文章の引用については「はじめに」をご覧ください。https://lifestyle-area.com/2017/04/14/hello-world/

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