『13歳からのアート思考』末永 幸歩(読書ノート01)
本書について
下記の見出しはamazonの商品紹介より引用しております。本書の目次のうち主要な項目が記されており、これをみると本書の全体像が見えてきます。
[PROLOGUE] 「あなただけのかえる」の見つけ方
私たちは「1枚の絵画」すらもじっくり見られない
「中学生が嫌いになる教科」…第1位は「美術」!?
美術はいま、「大人が最優先で学び直すべき教科」[ORIENTATION] アート思考ってなんだろう――「アートという植物」
つい私たちが見落とすこと――タンポポの思考実験
アート思考を構成する「3つの要素」
「正解を見つける力」から「答えをつくる力」へ[CLASS 1] 「すばらしい作品」ってどんなもの?――アート思考の幕開け
「ルネサンス画家」と「20世紀アーティスト」の違い
アート界の秩序を破壊した「あるもの」
「答えが変化すること」を前提にした考える技術[CLASS 2] 「リアルさ」ってなんだ?――目に映る世界の”ウソ”
「ピカソの絵にダメ出し」をしてみる
写実的な絵画は「非現実的」である
あり得ないポーズのリアルな男たち
「鑑賞されること」を想定していない絵[CLASS 3] アート作品の「見方」とは?――想像力をかき立てるもの
「無性に惹かれる絵」を生み出す方法
音楽を聴くとき私たちがしていること
なぜこんなに「情報量」に差があるのか[CLASS 4] アートの「常識」ってどんなもの?――「視覚」から「思考」へ
どこまで「常識」を脱ぎ捨てていくのか
「視覚」から「思考」への最後の”ダメ押し”
「シンプル」というよりは「お粗末」な茶碗[CLASS 5] 私たちの目には「なに」が見えている?――「窓」から「床」へ
「気づかれていない共通点」がまだどこかにある
じつは見えていない――「窓」と「床」の思考実験
絵画のとらえ方は無数にある[CLASS 6] アートってなんだ?――アート思考の極致
「どこまでがアート?」という問題
「台所洗剤」がなぜアート作品といえるのか
アートという「神聖な城」は、どこにある?[EPILOGUE] 「愛すること」がある人のアート思考
本書の読むべき理由
著者は美術が急速に興味を失われてしまう年齢である13歳を意識して、美術とはとても楽しく社会でも役立つものであることを伝えるために本書が書かれています。
確かに中学生の頃を思い返してみると美術に関して面白いという記憶はあまり持っておりません。面白くない理由として自分なりに考えられることが二つあり、ひとつ目は小学生で美術にあたる図画工作は「ものづくり」が中心で楽しかったものが、美術史のような理論があったりとものづくり要素が薄れてしまったことです。ふたつ目は単純に受験とは関係な科目で学んでも意味がないと割り切ってしまったことにあると思います。
著者はこの中学生くらいの生徒たちを対象に知識偏重ではなく美術に関して学ぶことや考えることの面白さを伝えております。なので、文章は平易でわかりやすいながらも大人が読んでもとても学びがある内容となっております。